映画「昼顔」
ドラマには世界観に惹き込まれて観ていた、昼顔。
映画化の時、とても観たかったのだけれどタイミングを逃したままで、ようやくAmazonPrimeで観ることができた。
ドラマとはまた違った空気感のある作り。
サワの身勝手さが目立つように思ったけれど、ドラマでの最初の頃は控えめで平凡なタイプだったサワが、キタノ先生と出会って惹かれてからは、どんどん覆っているものが剥がれていくかのように本能が見えて突き動かされるようなサワになっていたから、
映画でのサワは、全てを失って新しく生活を始めているにしてもすでに本能が解放済みの状態だったんだろうと思えた。
だから会いに行ってしまうところからのサワの本能のままの行動は、かえって潔く、愛に向かって真っ直ぐに感じられた。
人を傷付けてまで愛を繋げたのに中途半端にグジグジしているとしたら傷付けた人たちに対して尚さら屈辱的で酷い女になってしまう気がする。
だから、愛に正直に、タブーを越えるし嫉妬もするし渡したくないという欲望のままのサワ、で良かったんだと思った。
そんなサワに対するノリコも、あの全開の感じでいい。
立場は違う2人の本能と本能。
見終わった後は胸の中が重たくて、言葉が簡単には出てこなかった。
サワとキタノ先生の形が善いとか間違いとかよりも
人間と人間という見方をすると、サワもノリコもとても魅力的な女性だと思った。
個人的にはあの海辺のオーナーが好きだなぁ。
また観ようとは、重過ぎてとても思えないけれど
3人の結末を観れて良かったな、と思う。