映画【ビューティフルボーイ】
薬物依存の怖さが生々しく描かれている。
「元の息子に戻れる」という期待を前面に出して救おうと必死にいた父親の想いと、抜けられない依存症の自分との狭間でニックは苦しみ、どんどん悪循環に陥ってしまう。
薬物依存性を本人の問題にしている限り、本人も家族も誰も救われないことがよくわかる映画。
「これが僕だよ!」と愛する父親に訴えるニックには胸が潰れそうになった。
依存症と生きる。
そうなったら今までと別人なのか?
冒頭の父親の「時々思う。自分で育ててきた息子。これは誰だろう?」という言葉。
自分の見てきた幼い頃からの息子との幸せそうにする思い出のシーンが沢山出てくることが、ニックにドラッグで何かあるごとに走る父親の愛や苦悩や切望そのものを映し出していて
そして父親を求めるニック自身の苦しみ。
薬物依存性やアルコール依存症
"死ぬまで依存症者なのであり、今は摂取しない選択を選んで生きている" と言っていた人の言葉が、これを観て私の中で重みを増した。
もっと依存症について勉強して理解したいと思うようになった映画でした。
観て良かった。